MIPSとは?
MIPS(ミップス)とは、Million Instructions Per Second(100万命令/秒)の略で、コンピュータの処理速度を表す単位です。
コンピュータは、プログラムを「命令」の集まりとして実行します。 例えば、「2つの数を足す」「データをメモリに保存する」といった1つ1つの処理が「命令」です。
MIPSは、1秒間に何百万回の命令を実行できるかを表します。
下の枠は、プログラミングの画面(ターミナル)をイメージした表示です。数値や式を「画面に出る形」で見せることで、現場で使われるツールに近い形で理解できます。
MIPSの例:
1 MIPS = 1秒間に 100万回 命令を実行
10 MIPS = 1秒間に 1000万回 命令を実行
100 MIPS = 1秒間に 1億回 命令を実行なぜこの単位が必要なのでしょうか?
それは、コンピュータの処理速度を比較するためです。 10MIPSのコンピュータと100MIPSのコンピュータでは、 100MIPSの方が10倍速く処理を終えることができます。
命令実行速度の意味を体験しよう
「命令実行が速い」とは、具体的にどういうことでしょうか? 下のデモで、1MIPS、10MIPS、100MIPSの速度の違いを体験してみましょう。
命令実行速度デモ
同じ時間(5秒間)でどれだけ多くの命令を実行できるかを比較します。
1 MIPS(100万回/秒)
10 MIPS(1000万回/秒)
100 MIPS(1億回/秒)
→ MIPSが10倍になると、同じ時間で10倍の処理ができる!
平均命令実行時間との関係
MIPSは「1秒間に何回命令を実行できるか」を表しますが、 逆に「1つの命令を実行するのに何秒かかるか」を計算することもできます。
この「1つの命令を実行するのにかかる時間」を平均命令実行時間と呼びます。
計算式(シンプル):
平均命令実行時間(マイクロ秒) = 1 ÷ MIPS値
例: 10 MIPS → 1 ÷ 10 = 0.1 マイクロ秒(μs)
なぜこれでよいか:
MIPSは「100万回/秒」の単位。1命令の時間 = 1秒 ÷ (MIPS×100万) = 10⁻⁶/MIPS 秒。
10⁻⁶ 秒 = 1マイクロ秒なので、答は「1/MIPS マイクロ秒」で表せる。なぜマイクロ秒を使うのか?
上の例を見てください。10MIPSの場合、1命令あたりの実行時間は「0.0000001秒」になります。
この数値はとても小さくて読みにくいですよね。 そこで、マイクロ秒(μs)という単位を使います。
マイクロ秒は「100万分の1秒」なので、上の例は「0.1マイクロ秒」と表現できます。 これなら分かりやすいですね!
計算デモ
下のデモでは、MIPSと平均命令実行時間を相互に変換できます。 MIPSを入力すると平均命令実行時間が自動で出ます。逆に平均命令実行時間を入力するとMIPSが出ます。 どちらかの入力欄を変えると、もう一方が自動で更新されます。
MIPS ↔ 平均命令実行時間 計算デモ
どちらかの入力欄を変えると、もう一方が自動で更新されます。MIPSか平均命令実行時間のどちらかを入力すれば、相互に変換できます。
→ 平均命令実行時間:0.1 マイクロ秒(μs)
→ MIPS値:10 MIPS
単位の階段デモ:なぜマイクロ秒は10のマイナス6乗?
平均命令実行時間を計算するとき、「2マイクロ秒」と言われても、「マイクロ秒って10のマイナス何乗だっけ?」と混乱しますよね。
ここでは、ミリ・マイクロ・ナノ・ピコの単位を「階段を降りる」イメージで理解しましょう。
階段デモ
キロ(k)から始めて、1000倍ずつ小さくなる階段を降りていきます。
単位の階段
なぜマイクロは10のマイナス6乗?
階段を見ると分かりますが、マイクロ(μ)は「基本単位から3段階下」にあります。
- 基本単位:10⁰ = 1
- ミリ(m):10⁻³ = 1/1000(1段階下)
- マイクロ(μ):10⁻⁶ = 1/1,000,000(2段階下)
つまり、ミリ(10⁻³)からさらに1000倍小さくなる(10⁻³)と、マイクロ(10⁻⁶)になります。
計算:
10⁻³ × 10⁻³ = 10⁻⁶
言葉で言うと:
「ミリ」のさらに1000分の1 = 「マイクロ」日常生活での例
単位の階段は、日常生活でもよく使われています。
- 長さ:km(キロメートル)→ m(メートル)→ mm(ミリメートル)
- 周波数:GHz(ギガヘルツ)→ MHz(メガヘルツ)→ kHz(キロヘルツ)
- 時間:秒 → ms(ミリ秒)→ μs(マイクロ秒)→ ns(ナノ秒)
コンピュータの世界では、処理速度が非常に速いため、 マイクロ秒(μs)やナノ秒(ns)といった小さな単位がよく登場します。
まとめ
MIPSを理解するための3つの柱を押さえましょう。
- ① MIPSとは:1秒間に何百万回の命令を実行できるかを表す単位。値が大きいほど速い。
- ② 平均命令実行時間との関係:1 ÷ MIPS値 = 平均命令実行時間(マイクロ秒)。デモで相互変換を確認できる。
- ③ なぜマイクロ秒か:1命令の時間は非常に小さいため、マイクロ秒(10⁻⁶秒)で表す。ミリ→マイクロ→ナノと1000倍ずつ小さくなる階段を覚える。
関連用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| CPU | MIPSで速度を測定する中央処理装置 |
| クロック周波数 | CPUの動作速度を表す別の指標(Hz単位) |
| 命令セット | CPUが実行できる命令の集まり |
| CPI(Cycles Per Instruction) | 1命令あたりのクロックサイクル数 |