MIPS

ミップス / Million Instructions Per Second

作成日: 2026-02-07 | 最終更新: 2026-02-07
このページで分かること
  • MIPSとは何か?なぜこの単位が必要なのか
  • アニメーションデモで命令実行速度の違いを体験
  • MIPS ↔ 平均命令実行時間の計算方法
  • 単位の階段デモでマイクロ秒・10のマイナス6乗を理解

MIPSとは?

MIPS(ミップス)とは、Million Instructions Per Second(100万命令/秒)の略で、コンピュータの処理速度を表す単位です。

コンピュータは、プログラムを「命令」の集まりとして実行します。 例えば、「2つの数を足す」「データをメモリに保存する」といった1つ1つの処理が「命令」です。

MIPSは、1秒間に何百万回の命令を実行できるかを表します。

下の枠は、プログラミングの画面(ターミナル)をイメージした表示です。数値や式を「画面に出る形」で見せることで、現場で使われるツールに近い形で理解できます。

MIPSの例:

1 MIPS  = 1秒間に 100万回 命令を実行
10 MIPS = 1秒間に 1000万回 命令を実行
100 MIPS = 1秒間に 1億回 命令を実行

なぜこの単位が必要なのでしょうか?

それは、コンピュータの処理速度を比較するためです。 10MIPSのコンピュータと100MIPSのコンピュータでは、 100MIPSの方が10倍速く処理を終えることができます。

ポイント:MIPSは「1秒間に実行できる命令の数」を表す単位。 値が大きいほど処理が速いコンピュータと言えます。

命令実行速度の意味を体験しよう

「命令実行が速い」とは、具体的にどういうことでしょうか? 下のデモで、1MIPS、10MIPS、100MIPSの速度の違いを体験してみましょう。

命令実行速度デモ

同じ時間(5秒間)でどれだけ多くの命令を実行できるかを比較します。

1 MIPS(100万回/秒)

0 個完了

10 MIPS(1000万回/秒)

0 個完了

100 MIPS(1億回/秒)

0 個完了

→ MIPSが10倍になると、同じ時間で10倍の処理ができる!

わかったこと:「命令実行が速い = 処理が終わるのが速い」ということ。 MIPSの値が大きいほど、同じ時間でより多くの処理を完了できます。

平均命令実行時間との関係

MIPSは「1秒間に何回命令を実行できるか」を表しますが、 逆に「1つの命令を実行するのに何秒かかるか」を計算することもできます。

この「1つの命令を実行するのにかかる時間」を平均命令実行時間と呼びます。

計算式(シンプル):
平均命令実行時間(マイクロ秒) = 1 ÷ MIPS値

例: 10 MIPS → 1 ÷ 10 = 0.1 マイクロ秒(μs)

なぜこれでよいか:
MIPSは「100万回/秒」の単位。1命令の時間 = 1秒 ÷ (MIPS×100万) = 10⁻⁶/MIPS 秒。
10⁻⁶ 秒 = 1マイクロ秒なので、答は「1/MIPS マイクロ秒」で表せる。

なぜマイクロ秒を使うのか?

上の例を見てください。10MIPSの場合、1命令あたりの実行時間は「0.0000001秒」になります。

この数値はとても小さくて読みにくいですよね。 そこで、マイクロ秒(μs)という単位を使います。

マイクロ秒は「100万分の1秒」なので、上の例は「0.1マイクロ秒」と表現できます。 これなら分かりやすいですね!

ポイント:MIPSは「100万回/秒」という単位なので、1命令あたりの時間は「1秒 ÷ 100万」で計算される。 この結果は非常に小さい数になるため、マイクロ秒(μs = 10⁻⁶秒)を使うと分かりやすくなる。

計算デモ

下のデモでは、MIPSと平均命令実行時間を相互に変換できます。 MIPSを入力すると平均命令実行時間が自動で出ます。逆に平均命令実行時間を入力するとMIPSが出ます。 どちらかの入力欄を変えると、もう一方が自動で更新されます。

MIPS ↔ 平均命令実行時間 計算デモ

どちらかの入力欄を変えると、もう一方が自動で更新されます。MIPSか平均命令実行時間のどちらかを入力すれば、相互に変換できます。

→ 平均命令実行時間:0.1 マイクロ秒(μs)

→ MIPS値:10 MIPS

単位の階段デモ:なぜマイクロ秒は10のマイナス6乗?

平均命令実行時間を計算するとき、「2マイクロ秒」と言われても、「マイクロ秒って10のマイナス何乗だっけ?」と混乱しますよね。

ここでは、ミリ・マイクロ・ナノ・ピコの単位を「階段を降りる」イメージで理解しましょう。

階段デモ

キロ(k)から始めて、1000倍ずつ小さくなる階段を降りていきます。

単位の階段

キロ (kilo)
10³ = 1000
例:1km = 1000m
基本単位
10⁰ = 1
例:1m = 1m
ミリ (milli)
10⁻³ = 1/1000
例:1mm = 0.001m
マイクロ (micro)
10⁻⁶ = 1/1,000,000
例:1μs = 0.000001秒
ナノ (nano)
10⁻⁹ = 1/1,000,000,000
例:1ns = 0.000000001秒
ピコ (pico)
10⁻¹² = 1/1,000,000,000,000
例:1ps = 0.000000000001秒

なぜマイクロは10のマイナス6乗?

階段を見ると分かりますが、マイクロ(μ)は「基本単位から3段階下」にあります。

  • 基本単位:10⁰ = 1
  • ミリ(m):10⁻³ = 1/1000(1段階下)
  • マイクロ(μ):10⁻⁶ = 1/1,000,000(2段階下)

つまり、ミリ(10⁻³)からさらに1000倍小さくなる(10⁻³)と、マイクロ(10⁻⁶)になります。

計算:
10⁻³ × 10⁻³ = 10⁻⁶

言葉で言うと:
「ミリ」のさらに1000分の1 = 「マイクロ」
覚え方:階段を1段降りるごとに1000倍(10³)小さくなる。 ミリ(10⁻³)→ マイクロ(10⁻⁶)→ ナノ(10⁻⁹)→ ピコ(10⁻¹²)

日常生活での例

単位の階段は、日常生活でもよく使われています。

  • 長さ:km(キロメートル)→ m(メートル)→ mm(ミリメートル)
  • 周波数:GHz(ギガヘルツ)→ MHz(メガヘルツ)→ kHz(キロヘルツ)
  • 時間:秒 → ms(ミリ秒)→ μs(マイクロ秒)→ ns(ナノ秒)

コンピュータの世界では、処理速度が非常に速いため、 マイクロ秒(μs)やナノ秒(ns)といった小さな単位がよく登場します。

まとめ

MIPSを理解するための3つの柱を押さえましょう。

  • ① MIPSとは:1秒間に何百万回の命令を実行できるかを表す単位。値が大きいほど速い。
  • ② 平均命令実行時間との関係:1 ÷ MIPS値 = 平均命令実行時間(マイクロ秒)。デモで相互変換を確認できる。
  • ③ なぜマイクロ秒か:1命令の時間は非常に小さいため、マイクロ秒(10⁻⁶秒)で表す。ミリ→マイクロ→ナノと1000倍ずつ小さくなる階段を覚える。
基本情報技術者試験のヒント:MIPS ↔ 平均命令実行時間の計算問題がよく出ます。 「1 ÷ MIPS値 = 平均命令実行時間(マイクロ秒)」を覚えておきましょう!

関連用語

用語説明
CPUMIPSで速度を測定する中央処理装置
クロック周波数CPUの動作速度を表す別の指標(Hz単位)
命令セットCPUが実行できる命令の集まり
CPI(Cycles Per Instruction)1命令あたりのクロックサイクル数

よくある質問(FAQ)